NHKクローズアップ現代12月8日放送【「延命」ある少女の選択
~生と死のはざまで~】の詳細情報です。
◎キャスター:森本健成(NHKアナウンサー)
◎ゲスト:細谷亮太(聖路加国際病院副院長)
腎臓の「人工透析」30万人、口ではなくチューブで胃から栄養をとる
「胃ろう(経管栄養)」40万人、「人工呼吸器」使用者3万人と、延命治療の
発達で、重い病気や障害があっても生きられる命が増えています。
その一方、延命治療は必ずしも患者の「生」を豊かなものにしていないのでは
ないか?という疑問や葛藤が、患者・家族・医師たちの間に広がりつつあります。
田嶋華子さん(享年18)は背骨が曲がる病気で呼吸困難になるため、
8歳の時ドイツで心臓移植を受け、15歳で人工呼吸器を装着して声を失い、
「これ以上の延命治療は受けたくない」と家族と葛藤を繰り返しました。
田嶋華子さんは今年に入り腎不全を発症、手術しないと生命の危険があると
医師から告げられましたが、病院ではなく自宅で家族と暮らしたいと願い、
自宅療養を選び、人工透析を拒否して、肺炎をこじらせ、今年9月14日、
両親に見守られながら亡くなりました。
NHKクローズアップ現代では、田嶋華子さんの闘病を1年にわたって記録、
「延命」とは何か?「生きる」こととは何か?問いを繰り返しながら亡くなった
田嶋華子さんとその葛藤を見つめた家族(父・喜八郎さん、母・早苗さん)と
主治医の前田治利医師(訪問診療医)を通じて、医療の進歩が投げかける
問いと向き合いましたが、ゲスト出演した40年間難病の子どもを相手に治療
をしている細谷亮太氏は「本人・両親・医療者三者が大変だったと思うが、
田嶋華子さんは18歳という自分の意思を伝えられる年齢であったことが
延命拒否につながったので、今後の医療は本人を支えることが治療の基本に
なると思う」とコメントしていました。
米沢 慧さん ケアという臨床18 その1 殿岡秀秋筆録
いのちを考えるセミナー
2011年4月20日
米沢 慧さん
ケアという臨床 18
――明け渡すということーー その1
―「延命―ある少女の選択」―
*以下は米沢慧さんの講演に置いて配布したメモの写しです。
田嶋華子さん・父と母と三人暮らし。NHK総合テレビクローズアップ現代2010年12月8日放送。
華子さんは生まれたときから重い心臓病をかかえ、8歳でドイツで心臓移植を受けました。15歳で人口呼吸器を挿入して声を失いました。18歳で延命治療を断りいのちを明け渡しいった少女です。
両親と三人暮らし。前田浩利医師の訪問診療を受けて在宅ケアを続けていました。
日常会話はボード筆記、携帯、パソコンメールを使います。
「病院にいたら、くすりの方もつらいし病院にいるのもつらいから、ふつうに家族3人でくらす決意をしました。
――家にいてよかったこと。
「家族と当たり前の生活ができること。食事をしたりソファーでおやつを食べたりする時間がある」
(17歳のとき、延命治療をうけたくないと両親に伝え、両親もその意思を理解した)
――死はこわくないのか。
「天国はお疲さまという場所でもあるから、おわりだけど、おわりではない。…こころがあるから、こわくないんです。
「いのちは長さじゃないよ。どう生きていくかだよ」
○2010年6月腎不全発症。人工透析を断る。――父宛ての手紙
――華子だよ、パパが前田先生(在宅ケアを担当する医師)に私のことを相談したみたいだね。パパわたしの体がかわっていくのが辛くなったんだね。でもね、わたしは納得しているんだよ。
パパとママにはつらいかもしれないけど、わたしの気持ちは変わらないよ。
病因でも手術でも、入院でも充分がんばったのよ。呼吸器になったときもつらかったけど、わたしはがんばったのよ。わたしは自分で治療をしない選択をして、お家で自分らしく過したいから在宅ターミナルを決めたんだよ。自分のかぎられた大切ないのちだから、体がかわって寝たままになってもちゃんとできるよ。だから、パパとママも最期までわたしの大好きな尊敬できるパパとママで、深呼吸しながら、がんばってわたしの傍らにいてください。
○華子さんがスタッフに残した最後の言葉
(家族、スタッフによる海へのはじめての1泊の旅。)
「家族でゆっくりしたいという希望を叶えていただきありがとうございました。大好きな海のそばまで行けたことおがとてもうれしかったです。
○田島華子さんは、肺炎を起こして、家族や医師やスタッフに看取られながら亡くなりました。合掌
(この項続く)
(http://plaza.rakuten.co.jp/poetry2005/=詩を作る楽しみ)
(メールマガジン「詩を作る楽しみ」2011年4月25日号よりhttp://www.mag2.com/m/0000163957.html)
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