ブロークンイングリッシュ

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 世界の共通言語は、ブロークン・イングリッシュである、というのはよく聞く話である。しかしながら、どの程度までブロークンにしてよいのか、というレベル感が今ひとつ分からないのではなかろうか? 私は中国のシンセンで3年間働いた経験があるのだが、そこでは、中国人だけでなく香港人も交えて、英語でコミュニケーションをとっていた。彼らの話す英語はとてもシンプルで分かりやすい。難しい単語を使わずに、平易な単語、シンプルな構造で、自分の言いたいことをほぼ100%伝えてくる。私の理想とする英語の形なのだが、そんな彼らも、彼のことを「she」と平気で言ったりする。

 お恥ずかしい限りだが、下記は私の英語のスピーキングのレベル。ライティングする際はもう少し気をつけるのだが、会話の際はまぁ、こんな程度である。この程度でなんとかやっていけるので、皆さんも安心して、ガンガン英語を使っていただきたい。

・a と the の区別は難解。よほど基本的なもの以外は意識しない。ノン・ネイティブには無理な世界だとあきらめる。

・三人称はheでもsheでもかまわない。モノを指すitとはさすがに区別する。当然ながらIとyouはキチンと区別する。

・三単元の「s」はたいてい抜け落ちる。he have ということは少ないが、he go to the station などと言うのが普通。he goes to the station とはあまり言わない。

・前置詞の使い方には自信がない。まず前置詞の有無であるが、discuss the matther とすべきところを、discuss with the matther としてしまっても、意味は通じる。apologize for なのか、apologize to なのかもあまり意識しない。謝罪するときくらいキチンとした英語を使ったほうがよいのかもしれないが。

・過去完了形はあまり使わない。現在形か過去形かで、だいたいの会話は成立する。

・経験を聞きたいときなどは、Do you have any experience of ~ などとやればいい。私が使うのは I had been to Beijing など、どこかへ行ったことがある、というときくらいであろうか。

・完了を表現する時は、I finished ~ とすればOK。

・仮定法も使わない。唯一使うのが「if」という単語。もし~ならば、はすべてifで済ませてしまう。

・受身もあまり使わない。受身形というのは得てして受動的な日本人が好む表現なのではなかろうか? 泥棒に財布を盗られた、という代わりに、泥棒が私の財布を盗んだ The thief stole my wallet といえば事足りる。わざわざ難しい表現を使う必要はない。

・不定詞と動名詞の区分もあいまい。to speak と speaking の使い分けはあまり意識しない。会話で使用するのは動名詞の方が多いであろうか。

・関係代名詞もあまり使わない。わざわざ一つの文章で説明しなくとも、2文に分ければもっとシンプルに説明できる。I found out the boy who broke the window. であれば、I found out the boy. He broke the window. という風に分解してしまうのである。

 こう書くと、高校生の時に一生懸命勉強した英語って何だったんだという感じに思えてくる。苦手だった部分をすべて無視しても会話は成立するのである。

 当然ながら、正しい英語が使えた方がよいに決まっている。先日読了した酒井穣氏の『シンプル英語学習法』に触発されて、正確性よりも流暢さを優先して考えてみると、このような結果になる。欧米人とのコミュニケーションをとる機会が少ないので、なんともいえないが、彼らだって我々の顔立ちを見ればノン・ネイティブだというのは一目瞭然なので、英語のレベルについては差し引いて聞いてくれるであろう。むしろ話している中身の方が重要。重要な情報であれば、こちらの英語がたどたどしくてもキチンと聞いてくれるのである。

 しかしながら、ある程度流暢さを身につけたあとは、少しずつ正確性にも気を配っていくべきであろう。やはりポジションが上になり、公式の場で挨拶したりするのに、あまりにもブロークンな英語だと、第一印象で損をしてしまう。安くても清潔でプレスのかかったスーツをきちんと着こなすように、英語についても最終的にはそれなりの格を求めたいものである。
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